ボイスコミュニケーティング協会の『VOICE』

VCAメンバーによるコラムです。

VCA新聞 コラム vol.12「生き方」 by Kennyキムラ

VCAでの活字コラム3周目。

タイトルは『生き方』。

 

わたしは幼少期に「死」についての意識をした。

人はいずれ死ぬ。

生まれた瞬間から寿命が減っているんだと考えるようになった。

 

そのきっかけは、祖父の言葉だったと思う。

「いいかい?人は死ぬために生きているんだ。自分が死ぬ時に、生まれてきて良かったな、と思えるように生きるんだよ。」

おじいちゃん子だった自分は、祖父からそんな感じの話をしょっちゅう聞かされた。

おそらくそこから、自分は死ぬために生きる…ということを自覚した。

 

死ぬ間際に「人生にやり残したことがある」というような生き方はぜったいに嫌だと思った。

やりたいと思ったことは、なるべく実現させてやろうと心に決めた。食べたいものは食べる、飲みたいものを飲む、欲しいものがあればなんとか手に入れよう、と考えた。だからと言って、人の道から外れたり、他人に迷惑をかけたり傷つけたりしてまで実現させるという話ではない。

「時間も経験も知識も経済面も、すべて自力でなんとかする」ことを頑張ろう!と決めた。

 

仲間を集めて楽しいことを仕掛けたり、仲間たちを組織化することは得意だった。ずっとそんなお山の大将でここまできていると思う。学生の頃から興味のあることはすぐにのめり込み、奥底まで徹底して調べて、実現に向けて計画をして、資金が必要ならバイトでもなんでもして集めた。そんなことをずっと繰り返していた。

 

その反面、熱し易く冷め易いという性格も併せ持っている。たいていは自分が一人で突っ走り仲間を置き去りにして、ふと後ろを振り向くと誰もついてきてない。みんなのことを待っている間に熱が冷めてしまう。もう一度熱を持つためには同じじゃ面白くないので別のアプローチを始める。すると仲間が戸惑う。とまあ、そんな繰り返しだった。

 

また好奇心とはちがうところで、自身の経験値を上げていきたいという欲は高い。

何にでも興味を持ち何でも知りたいと考えている。

しかし、今の時代は仕入れた知識は片っ端から忘れるようにしている。なぜならスマホ一台あれば経験しなくても知ることはできる。なので経験だけは片っ端からしてみて、知識はスマホに任せる。大切なのは経験をするということだと思う。経験もしないでスマホから知識を得ても、それはニセモノである。経験が伴って初めてホンモノになると考える。なので、足腰が元気な間は、ありとあらゆる所へ行ってありとあらゆる経験を積みたいと思っている。

 

その昔、「呑む、打つ、買う」は芸の肥やしという言葉があった。今の芸人さんは、そんなことをすれば一発で世間から叩かれて芸人でいられなくなる。バレないようにコソコソ頑張っている芸人さんを何人か知っている。大冒険者だと思うが、バレたらすぐに「マヌケ」扱いされてしまうんだろう。可愛そうな話だな。

 

子供の頃から「生まれた瞬間に寿命が縮まっている」と考えていたが、そろそろ本当にゴールも見え始めてきた。

自分の人生をマラソンに例えるなら35Kmあたりを過ぎた頃だろう。残り7.195kmをどう走るか?

まあ、今のところは順調なので、フィニッシュは笑顔でテープを切ることができそうである。

残りわずかでの途中リタイアだけは、絶対に避けたいと思う。